コーチングには、コーチがクライアントと関わる際に守るべき原則があります。
この原則は、コーチングの三原則として知られており、
「インタラクティブ(双方向)」「テーラーメイド(個別対応)」「オンゴーイング(継続性)」です。
これらの原則は、相互に関係し合っており、どれか一つが欠けると、コーチングの効果が発揮されません。したがって、これらの原則を全て実践することで、コーチングの効果が最大限に引き出されます。
原則①インタラクテイブ(双方向性)
「インタラクティブ(双方向)」とは、クライアントと対等な立場でコミュニケーションをとることです。コーチングでは、対話を通じてコーチとクライアントが関わりあいます。
この関わりあいでは、お互いが対等な立場で、一方通行ではない、双方向のコミュニケーションを
行うことが原則となります。
どちらかが一方的に話したり、聞いていない場合は、双方向ではありません。
自らの先入観に基づいて相手の発言をジャッジしたり、アドバイスをしたりするのも、一方通行の
コミュニケーションとなります。
一方通行のコミュニケーションでは、効果的な気づきが起こりにくいため、コーチングの成果
が得られません。コーチとクライアントが、対等な立場で対話を重ねることが有効なコーチングに
つながります。
原則②テーラーメイド(個別対応)
「テーラーメイド(個別対応)」とは、クライアントに合わせた対応を行うことを意味します。
コーチングにおいて、目標が同じであっても、その達成方法は人によって異なることがあります。
例えば、Aさんにとって有効な方法がBさんには効果がない場合があります。
これは、人々が異なる思考パターンや行動パターン、経験などを持っているためです。
そのため、医療の分野で実践されている「テーラーメイド医療」のように、クライアント一人ひとりを
個別に観察し、その人に合わせたカスタマイズされたコーチングを行うことが求められます。
このような「個別対応」によって、より効果的なコーチングを提供することができます。
原則③オンゴーイング(継続性)
「オンゴーイング(継続性)」とは、クライアントと継続的に関わり続けることを指します。
一度のコーチングで目標を達成することは、実際には困難です。クライアントが気づいたことを
実践に移すことは簡単ではなく、自己実現のプロセスにおいて、クライアントをサポートし続ける
ことが必要です。
さらに、クライアントと継続的に関わることで、目標達成の過程で状況が変化した場合にも、
即座に対応することができます。クライアントを個別に理解するためにも、継続的なサポートが重要です。