「コーチングって傾聴のこと?」「コーチングって実際何をするの?」「コーチングは効果無いって聞くけど。。。」「ヒューニングって何がいいの?」
これらは、いずれもコーチング&ヒューニングの体験セッション時に私がよく受ける質問です。
ここでは、上記のようなコーチングやヒューニングにまつわる疑問を払拭するために、エッセンスを詳細に、かつ分かりやすくまとめました。
欧米で開発されたコーチングは、対話を通してクライアントのパフォーマンスを向上さることができる素晴らしいアプローチです。
日本でもビジネスの領域を中心に最近認知が急拡大してきています。ただ、その効果には限界があることも事実です。
思考の整理や新しい気付きを得る、などのコーチングの長所だけでなく、限界や短所も包み隠さずご紹介します。
そして、それらの限界を補うための方法の一つ「ヒューニング」についても説明しています。
コーチを探しているあなた、コーチングやヒューニングを学びたいあなた、まずはこのページを読んでみてくださいね。
また、「手っ取り早く直接話を聞いて教えてもらいたい」「さらに詳しい情報を聞きたい」という方は、無料の体験セッション内でもご説明可能ですので、お気軽にお申し込みください。
コーチングとは何か
コーチングは、対話によりクライアントの夢や目標を明確にし、その達成を支援するための人材開発や能力開発のスキルです。このプロセスでは、主にコーチがクライアントに対して質問を投げかけ、クライアントが自らの目標を明確化し、必要なスキルや行動計画を策定するよう促します。コーチは、クライアントが自発的に成長し、目標に近づけるよう支援を行います。
コーチングとは何か
コーチングは、目標達成を支援するメソッドのひとつであり、クライアントが具体的な行動計画を決める点が大きな特徴です。
コーチとの対話を通じて、クライアント自身が自分の目標達成方法を導き出します。
コーチは、クライアントに対して具体的なアドバイスを行うことはなく、代わりに、クライアントが自分自身で能動的に目標に向かって前進できるよう、対話を通じてサポートをします。
通常、コーチングのセッションは、コーチとクライアントの二名で、対話形式で行われます。
また、日常生活でもコーチングを活用することができます。
自分自身や他の人の目標達成や課題解決をサポートするために、コーチングの手法を使うことができます。また、自分自身に対してセルフコーチングを行うこともできます。
コーチングの目的は、対話を通じてクライアントに「気づき」を与えることです。
コーチングでは、クライアントが新たな気づきを得ることで、
「望む状態」「本当の思い」「使えるリソース」「自分の可能性」などについて認識を深めます。
これらの気づきは、「自分は本当はこう思っていたんだ!」「本当はこれがやりたかったんだ!」「自分にはこんなこともできるんだ!」といった、クライアントにとって大きな発見となります。
日常生活では、これらの気づきを得ることは難しいかもしれませんが、コーチと対話を重ねることで、徐々に頭の中が整理され、自分自身に気づきを与えることができます。
コーチングでは、この気づきを踏まえて、クライアント自身に「自分はどうなりたいのか」
「そのために、どうすべきなのか」を考えてもらいます。
そして、自分で目標を設定し、目標達成に向けてどのように行動していくかを決めます。
このような気づきは、クライアントの目標達成への道しるべとなる、非常に重要な要素です。
コーチは、単にクライアントの目標達成をサポートするだけでなく、人間的な成長を促進する
役割も担っています。
コーチは、セッション中にクライアントに「今抱えている問題は何なのか」「どんな未来を望んでいるのか」「そのために今すべきことは何なのか」といった気づきを与えます。
このようなセッションを繰り返すことで、クライアントに自分自身で問題を解決するためのリソースを身につけさせます。
最終的には、コーチなしでも目標達成や問題解決ができるように、クライアントを導くことを目指します。
コーチングは、クライアントの可能性を引き出し、長期的な成長を促進することを目的としています。そのため、コーチは、目標達成後のクライアントの姿も見据えて、セッションに取り組むことが必要です。
コーチの起源は「目的地まで連れて行ってくれる馬車(coach)」に由来します。
現代では、コーチは一般的にスポーツ界で広く使われ、技術的な指導をする人物として
知られていますが、厳密には技術を教える人はインストラクターと呼ばれます。
コーチは、選手が目標を達成できるよう、精神面を含めた様々な角度からの支援を行う存在であり、その語源通り「目的地まで連れて行ってくれる人」と言えます。
そして、コーチングは、その語源通り「目的地まで連れて行ってくれる技術」であると言えます。
コーチングはアメリカ発祥の手法であり、1970年代に優れたスポーツコーチが選手とのコミュニケーションスキルを研究し、それをまとめたことが始まりです。
当初は個人向けに普及しましたが、後にビジネス界で能力開発のツールとして注目されました。
1990年代半ばには、アメリカの大企業で採用され、欧米企業にも広がりました。
日本でも1990年代後半に導入され、管理職向けの人材開発手法として普及し、自己啓発や自己成長の方法としても知られるようになりました。
現在では、教育や育児、医療など多岐にわたる分野で活用され、コーチングに関する書籍や講座も
増えています。このようにコーチングが広まることで、コーチという職業も認知され、コーチ育成機関も多数存在しています。
コーチングには、コーチがクライアントと関わる際に守るべき原則があります。
この原則は、コーチングの三原則として知られており、
「インタラクティブ(双方向)」「テーラーメイド(個別対応)」「オンゴーイング(継続性)」です。
これらの原則は、相互に関係し合っており、どれか一つが欠けると、コーチングの効果が発揮されません。したがって、これらの原則を全て実践することで、コーチングの効果が最大限に引き出されます。
「インタラクティブ(双方向)」とは、クライアントと対等な立場でコミュニケーションをとることです。
コーチングでは、対話を通じてコーチとクライアントが関わりあいます。
この関わりあいでは、お互いが対等な立場で、一方通行ではない、双方向のコミュニケーションを
行うことが原則となります。
どちらかが一方的に話したり、聞いていない場合は、双方向ではありません。
自らの先入観に基づいて相手の発言をジャッジしたり、アドバイスをしたりするのも、一方通行の
コミュニケーションとなります。
一方通行のコミュニケーションでは、効果的な気づきが起こりにくいため、コーチングの成果
が得られません。コーチとクライアントが、対等な立場で対話を重ねることが有効なコーチングに
つながります。
「テーラーメイド(個別対応)」とは、クライアントに合わせた対応を行うことを意味します。
コーチングにおいて、目標が同じであっても、その達成方法は人によって異なることがあります。
例えば、Aさんにとって有効な方法がBさんには効果がない場合があります。
これは、人々が異なる思考パターンや行動パターン、経験などを持っているためです。
そのため、医療の分野で実践されている「テーラーメイド医療」のように、クライアント一人ひとりを
個別に観察し、その人に合わせたカスタマイズされたコーチングを行うことが求められます。
このような「個別対応」によって、より効果的なコーチングを提供することができます。
「オンゴーイング(継続性)」とは、クライアントと継続的に関わり続けることを指します。
一度のコーチングで目標を達成することは、実際には困難です。クライアントが気づいたことを
実践に移すことは簡単ではなく、自己実現のプロセスにおいて、クライアントをサポートし続ける
ことが必要です。
さらに、クライアントと継続的に関わることで、目標達成の過程で状況が変化した場合にも、
即座に対応することができます。クライアントを個別に理解するためにも、継続的なサポートが重要です。
コーチングでは、通常、コーチとクライアントの二人が対話するセッション形式を採用しています。
コーチングセッションでは、コーチングの三原則に基づいて、目標設定から目標達成のための行動計画策定に至るまで、すべて対話を通じて行われます。したがって、セッションでの重要なスキルは、クライアントから的確な情報を引き出す能力や、クライアントに新たな気づきを与える能力です。コーチは、「質問」、「傾聴」、「要望」、「承認」、「フィードバック」といったスキルを使い、クライアントが興味深い情報を共有できるようにします。また、信頼関係を築くためにも、「ラポール」を構築することが最重要です。
よく企業内でコーチング研修をうけた方から、「コーチングは傾聴をして質問することでしょ?」
というお話をよく伺います。もちろん傾聴は重要なスキルで、質問もコーチングにはなくてはならない
重要なスキルですが、それではコーチング風の対話で実行力はありません。それどころか逆効果になって
しまいます。
しかし、部下との定期的な1on1ミーティングなどで、ただ話を聞いて(フリをして)質問(というより詰問)
を繰り返すというコーチング風の面談を行っている方々がいます。そんななんちゃってコーチングでは、
部下がどれだけストレスを抱えてしまうかが理解できていないケースがほとんどです。
ひどい場合には、部下がメンタル的に不調を訴えてしまうこともあります。
コーチングが日本に入ってきたときに、”Active Lisning”を「傾聴」と訳され、特に企業研修で
中途半端なスキルとしてコーチング=傾聴+質問という認識が広まった事も、コーチングは効果がない
と言われてしまう理由の一つだと考えています。
効果的な対話を行い、クライアントに有益な気づきを与えるためには、コーチは日々、必要なスキル
をトレーニングし、効果的なコーチングセッションを行います。
コーチングの基本スキルとして、コミュニケーションに関わる技術や心理学や脳科学の知識など、
幅広く求められます。
ここではコーチが体得しているコーチングを効果的に行うスキルの一例として、最も基本となる
下記について解説します。いずれもコーチングには欠かせない重要なスキルです。
「質問」は、クライアントの思考パターンや価値観、目標を特定したり、新しいアイデアを引き出す
ために、重要なスキルです。
自らの成長を促せるような「気付き」の機会を多く持ってもらう質問をしていく事がコーチに求められます。
クライアントは、コーチからの質問に答えることで、自分の考えを整理し、新しい視点、気付きを得る
ことができます。時には、すぐに答えられない質問が投げかけられる事があります。
この場合、普段意識している事柄での回答ではなく、潜在的な情報にアクセスしています。
コーチは基本的にクライアントが回答するまで沈黙もいとわず待ちます。この時間が、クライアント自身
が内省を行う事につながります。内省は、自己に対する内的な探求や反省のことを指し、自分自身の
感情や考えを深く理解することによって、自己の成長や変革を促すことができます。
コーチは、クライアントの状態をよく観察し、どのタイミングでどのような質問をすることが最も
効果的かを判断する必要があります。
優秀なコーチは質問スキルが優れており、クライアントに多くの気づきを与えることができます。
コーチングにおいて、質問スキルは非常に重要な役割を担っており、コーチングの成功に大きく関係
しているといえます。
「傾聴」とは、クライアントの状態を注意深く観察しながら、先入観を持たずに全力で話を聴く事で、
クライアントとの信頼関係構築(ラポール)、情報収集、思考の整理を促進させる重要なスキルです。
傾聴により、クライアントが話しやすい雰囲気が醸成され、クライアントが多くの話をできるように
なります。その結果思考の整理がすすみ、新しい気付きを得ることでコーチングの有効性が高まります
(オートクライン効果と言います)。
コーチは、クライアントが話しやすくなるように、適宜「聞いている」というサインを言語、非言語で
送りながら、最後まで口を挟まずに、話を聞きます。
また、コーチ自身の判断や解釈を抑え、一時的に自分のフィルターを取り除き、相手の言葉をそのまま
受け入れる能力が求められます(これがやってみると結構難しいんですよ)。
これができると、クライアントが聴いてもらっているという安心感を得て、コーチとの”信頼”につながり、
さらに多くの事を自然と話していきます。
さらにコーチは、クライアントの話の内容だけでなく、話している表情や声のトーン、テンポなどの
非言語情報にも注目し、クライアントが本当に言いたいことや話す目的、意図を見極め、理解して
いきます。その結果、話の内容だけよりも多くの情報を取得できます。
効果的な傾聴により、コーチは、クライアントの意見や考え、状況、抱えている課題などを”正確に理解”
することができます。これにより、コーチは、クライアントのニーズに応じて適切なアドバイスや
サポートを提供することができます。
傾聴を効果的に行う事で、クライアントは「こんな事まで話すつもりでは無かったのに」という内容
まで話していくことになり、自分自身の感情や考えを整理することができます。
これにより、クライアントは、自分自身の課題に対する解決策を見つけることができます。
傾聴の上位概念である「アクティブ・リスニング」
「アクティブ・リスニング」は、単に話を聴くだけでなく、話をする人の意見や考えを理解するために、
質問をすることや意見を確認することなど、アクションを起こします。
また、リスニング(聴く)の対象は、言葉や表情身振り手振りのレベルでは無く、クライアントの
価値観や思考プログラムをふまえた質問を繰り出す事で、よりクライアントの事をある意味クライアント
以上に理解していきます。
このように、傾聴を含む「アクティブ・リスニング」により、効果的なコミュニケーションを可能
にすることができます。
「アクティブ・リスニング」を学びたい方は、コーチングセッションの中で希望の方には教えています。
また、ビジネスコーチ養成講座では基礎的事項としてカリキュラムに入っていますので、体系的に
学びスキルとして取得いただくことが可能です。
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「要望(リクエスト)」とは、クライアントが潜在意識で当然できないと思い込んでいる
目標や手段を選択肢に加えるようリクエストするスキルです。
要望を通じて、クライアントが無意識に作っている制限を超えた選択肢を提案し、クライアントの
可能性を大きく広げることができます。要望は、簡潔かつ明確に伝えることが重要であり、指示や
命令口調にならないよう注意が必要です。
ただし、リクエストを受け入れるかどうかは、クライアントの自由意志によって決まるため、
強制することはできません。
「承認(アクノレッジメント)」とは、クライアントのモチベーションや自己効力感を高めるための
スキルです。よく混同される「ほめる」との違いは、「承認」は、事実・存在をそのまま伝えること
であり、肯定・否定に関わらず、評価を含みません。
承認は英語でいうと「アクノレッジメント(Acknowledgement)」になり、「そこにいることに気づく」
という意味です。いわば、その人にスポットライトを当てるといえるでしょう。
アメリカの映画際であるアカデミー賞の授賞式で、
受賞者が「I would like to acknoweldge(私はこれから次の方々を承認します)……」と始め、
関係各者の名前を次から次へと読み上げる場面があります。まさに承認です。
これは必ずしも褒めるということではなく、「この方たちがこの映画の制作に関わってくれました」
とスポットライトを当てているのです。
コーチングにおいて、クライアントに成長や成果が見られた際に、その変化を言葉に出して伝えることで、
クライアントは自身の成長を実感することができます。また、日頃から存在自体を承認する声かけを
行うことも大切です。存在自体を承認する声かけとは、あいさつをしたり、名前を呼んだり、話しかけたり
することです。ごく当たり前の行為ですが、非常に効果的な承認方法です。
その他承認には下記の様なものがあります。
「フィードバック」とは、コーチングに特徴的な重要スキルで、コーチがセッション中のクライアント
の状態や発言から、自身がどのように感じたか、捉えたか、そしてどう見えたかなどを伝えることです。
その結果、クライアント自身が客観的に現状を把握でき、見えていないことに意識が向くように促し、
その結果、「気づき」が生まれます。
適宜フィードバックを行うことで、クライアントは自分が目標達成までの道のりの中でどこにいるのか、
どんな状態にあるのかに気づき、現状認識を新たにすることができます。
フィードバックを行う際は、内容を正確に伝えることが重要です。クライアントが分かりやすいように、
的確な表現を心がけ、以前感じたことなのか、今の状態について言っているのかを明確にする
必要があります。
よくある質問として、一般的なフィードバックとコーチングにおけるフィードバックの違いがあります。
一般的なフィードバックは、評価や意見を伝えることを目的とし、具体的な改善点を伝えます。
一方、コーチングのフィードバックは、クライアントの自己認識を深め、問題解決や目標達成への
サポートを提供することが目的です。
コーチングでは、質問を通じてクライアントに自分で気づきや解決策を見つける機会を与え、
コーチとクライアントが対等な関係で協力し合います。また、クライアントの行動や成果を承認し、
自己肯定感や自信を高めることに重点を置きます。
さらに、コーチングではフィードバックが継続的なプロセスの一部となり、クライアントの成長や
変化に応じて適切なサポートを提供し続けます。
これらの違いを理解し、適切なフィードバックを提供することで、クライアントの成長や変革を
効果的にサポートできます。
フィードバックのポイントは、相手に対して伝え方を工夫し、相手の意思決定を促すことです。具体的な方法として、「Iメッセージ」を使います。「Iメッセージ」は、主語を「私」にすることで主観であることを示し、感じたことや直感を伝えることで責める感じを和らげます。ちなみに、「Youメッセージ」は相手に対する評価や意見を伝える表現で、一方的な伝え方になることがあります。「Weメッセージ」は、コーチとクライアントが共同で問題解決や目標達成を目指すことを強調する表現す。
例えば、「○○さんが本当にやりたいことは、他の事のように聞こえるのですが。」のように、「Iメッセージ」を使った表現を用いることが効果的です。
さらに、「どう思われますか?」と投げかけ、フィードバックが合っているかどうかを確認します。
コーチングでは、まず相手の話をしっかりとアクティブリスニングで「聴く」ことが基本であり、「フィードバックする」前に、相手の心の準備を整えるような前置きをすることも効果的です。例としては、「気付いたことをお伝えしてよいでしょうか?」などのフレーズです。
このようなフィードバックのポイントを押さえることで、相手の気付きを促し、成長や変革を効果的にサポートできます。
以上のようなフィードバックのスキルを用いることで、クライアントは自分自身について客観的な視点を持つことができ、より深い自己認識を得ることができます。フィードバックは、コーチングにおいて欠かせないスキルであり、クライアントが目標達成に向けて進む上で、重要な役割を果します。
「ラポール」とは、語源がフランス語で「Raport:橋をかける」という意味で、相手と自分との間に
橋が架かっている状態、すなわち、 心が通じ合い、互いに信頼し相手を受けて受け入れる状態を示します。
コーチとクライアントの間に橋を架けること。つまり信頼関係を構築することです。クライアントが
コーチに対して「この人には何でも話せる」という安心感を持つことで、コーチングの成果が出やすく
なります。
コーチは、常に自分の発言や態度に注意を払い、クライアントに信用して話してもらえるよう努めます。
クライアントをよく観察し、クライアントのペースに合わせた会話をすることが重要です。
また、声のトーンや顔の表情、姿勢などもクライアントの波長に合わせ、信頼感を作り出す働きかけ
を行います。
ラポールを築くことで、クライアントがコーチとの関係性に安心感を持ち、自分自身を素直に表現
することができます。そして、クライアントが自己成長を遂げるために必要なことを、より効果的に
取り組むことができるようになります。ラポールは、コーチングにおいて非常に重要な要素であり、
クライアントとコーチの共同作業を促進する役割を果たします。
優れたコーチは、相手の警戒心をとき、好意や安心感を持ってもらうための「ミラーリング」や、
言葉以外の動作で相手との心を通わせる「ペーシング」、話をきいてくれているんだと安心感を持って
もらうための「バックトラッキング」などのスキルを駆使して、クライアントとのラポール形成を行います。
また、さらに広義のラポール(メタ・ラポール)として、相手が興味を持っていることや価値観などに
ペーシングするアプローチで強固なラポール形成を行います。
コーチングにおいて対話が重視される理由は、クライアントとの単純な会話の中では、本当の望みが答えとして出てこないことが多いためです。
意識的に話す望みと、潜在意識の奥深くで本当に望んでいることは異なる場合が多くあります。また、口に出した目標が自分自身が心から叶えたい目標ではないこともあります。そのため、丁寧に対話を行い、クライアントの真の望みを引き出す必要があります。
例えば、クライアントが「痩せたい」という目標を口に出した場合、それを掘り下げて、なぜ実現したいのか、実現したら何が得られるのかを聞いていきます。すると、「綺麗になりたい」「綺麗になって結婚したい」といった別の望みが出てきます。更に掘り下げると、「家族を安心させたい」というような新たな思いが出てくる場合もあります。これらを聞いた上で、クライアントが本当に叶えたい目標は何なのかを対話を通じて導き出します。
優秀なコーチは、クライアントが話す解決したい課題をそのまま解決することはせず、必要に応じ対話を通してクライアント自身も気づいていない真の課題や目標を導出します。
人は、本当にやりたいことでなければ積極的には動けません。そのため、誤ってクライアントの本当に願うものではない、〜しなければといった目標を設定してしまうと、当然行動が伴いにくく、コーチング自体が意味のないものになってしまいます。
また、クライアント自身が目標やなりたい姿を口に出すことができない場合もあります。そのような場合には、対話を通じて潜在意識にアクセスし、クライアントの内側から答えを導き出し、クライアント自身に目標を決めてもらいます。
コーチングのセッションですが、クライアントの状況により様々な形で行われますが、一例として代表的なプロセスをご紹介します。全てのステップにおいて、対話を通して、クライアントが自ら考え、答えを出すことを促します。
クライアントがセッションに安心して臨めるよう、準備を行います。コーチは、コーチング&ヒューニングについての説明やセッションの進め方、約束事、守秘義務等の確認を行い、アイスブレイクを通してクライアントとの信頼関係を築く働きかけも行います。自己開示や軽い会話を通じて、クライアントが緊張を解き、リラックスできる環境を作り出します。
効果的なコーチング&ヒューニングのセッションを行う為に、場所等の環境も重要です。
対面でセッションを行う場合は、クライアントがリラックスできるような環境を作るため、静かでプライバシーが保たれる場所を選びます。こちらはコーチに場所の選定をお任せするのが良いでしょう。
最近はほとんどオンラインでのセッションが行われますが、Grow
with では原則Zoomを用いてコーチング&ヒューニングを行います。この場合、静かでプライバシーが保たれる場所からログインいただくことが重要です。ご自宅や職場に適切な場所がないという方は、テレキューブなどのテレワークブースがお近くにあれば活用いただくのも良いと思います。近くにそんな場所がないという方は、カラオケボックスを活用されている方もいらっしゃいますのでご参考にされてください。
また、マイクやスピーカー、イヤホンなどの通信環境も適切な状態であることを事前に確認しておくと良いでしょう。
最初に、セッションで実現したい目標を明確にします。原則コーチングでは、クライアントが話したいテーマを設定します。
セッション冒頭に「このコーチングセッションで話したいテーマは何ですか?」「今日のセッションで達成したい具体的な目標は何ですか?」などの質問がコーチから投げかけられることが多いです。
はじめは、具体的な目標が言語化できなくても大丈夫です。コーチング&ヒューニングを通して、クライアントの真の望みを特定し、目標を具体的に設定します。ぼんやりとした理想から、クライアントが明確なイメージを描けるようにしていきます。
明確化された目標に対して現状はどうなのか、目標実現を目指す上で何が問題となる可能性があるかを深掘りします。目標に向かって、クライアントが現在どの段階にいるのか、目標にどの程度到達しているのかを把握します。クライアントの自己評価と周囲の人の意見を考慮して、現状を明確にします。
目標と現状の間にあるギャップの原因を分析します。クライアントが自覚している原因だけでなく、他に原因があるかどうか、また根本的な原因が何かを対話を通じて追求します。原因を明確にすることで、解決策が見えてくる場合があります。
ここで、潜在意識的になにかしらのブレーキがかかっているケースもあります。このような場合には、純粋なコーチングでは対処できない場合もあり、後ほど紹介するヒューニングを用いて、ブレーキを外していくなどの対応を行います。
ギャップの原因を解決するために、どのような行動をとれば目標が達成できるかを考えます。リソースの有無も考慮し、実行可能な具体的な行動計画を策定します。計画は実行可能な範囲内で、クライアントが行動に移しやすい内容にすることが重要です。
コーチングプロセスにおける「意思の確認」は、クライアントが行動計画の実行に対する意思を強化し、
実行に自信を持って取り組むためのステップです。このプロセスでは、行動計画の再確認、
コミットメントの表明、モチベーションの強化、自信の向上、そしてフォローアップの計画を行います。
意思の確認を通じて、クライアントは目標達成に対するモチベーションを維持・向上させ、自己効力感
を高めることができます。
ここで重要なのは、「しなければいけないから行う」という状態ではなく、「やりたい」と
クライアントが本心から思える内容になっているかが重要です。
そのため、コーチはクライアントの表情や言葉使いなど言語・非言語の情報を観察し、ホントに
やりたい内容であるかの確認を行っていきます。
もし、何かしら実施において懸念点がある場合にはそれを明確にします。また、無意識に何かしら
ブレーキがかかっているケースも多いです。例えば、「○○は目標達成のためにはしなければいけない。
が、忙しいので完遂はできそうにない」と無意識に思い込んでいるような場合です。
このような場合は、後ほど触れるヒューニングを用いて対処します。
コーチングのセッションを受けたり、コーチングを学んだりすると、以下のような効果が得られます。
・目標が明確になり、人生の方向性が定まる
・自分の思考が整理され、頭の中がスッキリする
・自分を客観的に見ることができ、冷静に物事に対処できるようになる
・コーチからの定期的な承認により、モチベーションが上がる
・自分の潜在能力に気づき、引き出すことができる
・コミュニケーション能力が向上し、人間関係が改善される
・自分で答えを見出すことが可能となり、主体的に行動できるようになる
・対話を通じて自分の価値観やビジョンが明確になり、迷いや悩みが減り、充実した毎日を送れるようになる
また、コーチングでは「傾聴」「質問」「提案」「承認」などのスキルを習得できるため、コミュニケーション能力も向上します。その結果、周囲との関係が改善されることも期待できます。
さらに、セルフコーチングも行えるようになれば、身近な問題への解決力が向上します。
コーチングと他の手法との違いについて説明します。コーチングは、よく比較される手法に「ティーチング」、「マネジメント」、「カウンセリング」、「コンサルティング」があります。
ティーチングとコーチングには、大きな違いがあります。ティーチングは、自分が持っている知識や
技術を相手に教えることを指し、一方的な指示や命令が行われる場合があります。
一方、コーチングは、クライアントが自己成長や自己実現を促すための対話的なアプローチであり、
クライアントに何かを教えることはありません。
例えば、ダイエットが目標の場合、ティーチングでは、痩せるためにどうすればよいのか、具体的な
方法が教えられます。
一方、コーチングでは、クライアントが自分自身の内面を深く掘り下げ、
自己啓発を促すための対話を通して、自分で気づき、自発的に行動を起こすことを促します。
また、ティーチングでは、指導者と教わる人の間に上下関係が存在するため、一方的な指示や命令が
行われることがあります。一方、コーチングでは、コーチとクライアントは対等な関係にあり、
コーチがクライアントに指示や命令をすることはありません。
両者にはそれぞれ役割があり、状況に応じて使い分けることが重要です。
例えば、新入社員にはティーチングが必要であったり、具体的なスキルを身に着ける必要がある場合
にはティーチングが適しています。
一方、コーチングは、自己成長や目標達成を目指す場合に適しており、
クライアントが自分自身を深く理解し、自発的に行動を起こすための支援を行います。
マネジメントとコーチングには、人材開発の共通点がありますが、相手との関わり方が異なります。
マネジメントは、組織の目標を達成するために、リーダーや管理職、マネージャーが部下に対して
具体的な指示命令を出すことで、人材を育成して組織を機能させます。
一方、コーチングでは、クライアントが自己成長や目標達成を促すための対話的なアプローチであり、
クライアントに何かを教えることはありません。
具体的には、マネジメントでは、部下一人ひとりの目標を定め、動機づけを行い、モチベーションを
維持させることで、組織の目標を達成に導きます。一方、コーチングでは、クライアントが自分自身
の内面を深く掘り下げ、自己啓発を促すための対話を通して、自分で気づき、自発的に行動を起こす
ことを促します。
近年、ビジネス環境の変化に伴い、マネジメントのスタイルも変化しています。
マネジメントにコーチングの手法を取り入れ、部下が自分で判断できるよう導く
「コーチング型マネジメント」が注目されています。
この手法では、マネージャーは部下に対して指示や命令を出すのではなく、部下が自分で考え、
自発的に行動することを促します。
また、マネジメントでは、マネージャーが結果に対する責任を負っていることも、
コーチングと異なる点の一つです。
カウンセリングとコーチングには、クライアントの問題解決をサポートする共通点がありますが、
目的やアプローチには違いがあります。カウンセリングは、クライアントの現状の問題解決を目的とし、
カウンセラーや臨床心理士が、相談者やクライアントに対して用いるスキルです。
一方、コーチングは、未来の目標達成を目指すための対話的なアプローチであり、コーチがクライアント
の自己啓発を促します。
具体的には、コーチングは、クライアントが目標達成に向けてどう行動したらいいかを考えること
を目的としますが、カウンセリングは、現在の問題にフォーカスして解決をサポートすることが目的です。
また、コーチングはクライアントに気づきを起こさせることを促しますが、カウンセリングは
クライアントに話をしてもらうことを重視します。話す過程で、クライアントが精神的に落ち着いたり、
出来事や考えを整理できるよう導きます。
一方で、カウンセリングでもコーチングでも、クライアントの話を聞くための傾聴スキルが必要であり、
カウンセラーも自分の価値観で意見やジャッジをしないことが重要です。
コンサルティングとコーチングには、クライアントの問題解決や目標達成をサポートする共通点がありますが、アプローチや役割には違いがあります。コンサルティングは、クライアントからヒアリングした情報をもとに、問題の解決策や目標達成の具体的な戦略を考え、クライアントに提供するスキルです。各分野のコンサルタントが、クライアントに対して行います。
一方、コーチングでは、クライアントが自己啓発を促し、目標設定から目標達成のための行動計画までを自分で考えることを目的とします。コーチはクライアント自身が持つ能力やポテンシャルを引き出す役割を担います。
コンサルティングでは、コンサルタントが具体的な行動計画や戦略を考え、アドバイスを行うことが期待されます。コンサルタントは自分の経験や知識をもとにしたアドバイスを提供するため、問題解決や目標達成のスピーディーな実現が期待できます。一方で、コンサルタントはクライアントの業種に精通している必要があります。
コーチングは、クライアント自身が目標設定から行動計画までを自分で考えるため、クライアントが自己啓発を促される点が魅力的です。また、クライアントの業種に詳しくなくてもセッションが可能な点があります
欧米で生まれたコーチングには、一点、大きな弱点があります。それは、特に日本人ではコーチングのみでは目標達成が困難な場合が多いということです。
コーチングは、クライアントが望む目標を明確化し、達成までの行動計画を立てることができます。しかし、行動計画が立てられた後は、実際に行動を起こすかどうかは、クライアント自身の意思やモチベーション次第です。
欧米人と日本人では文化的背景や生理学的に欧米人とは異なる点が多々あります。
例えば、狩猟民族と農耕民族の民族性の違いから来る目標に対するモチベーションや価値観の違い。他には、欧米人と日本人のセロトニンの分泌に関連する遺伝子の違いによるリスクへの感じ方の違い等です。
したがって、欧米生まれのコーチング手法をそのまま取り入れたアプローチでは、クライアントが”本当の目標設定”を行うことの支援も十分でなく、さらに実際に行動を変化させることは容易ではありません。
例えば、行動計画において「人見知りを直すために毎日最低一人に自分から話しかける」という行動計画を立てた場合、クライアントが気分が乗らずに行動できない日や、別のことで忙しく、行動するのを忘れてしまう日があるかもしれません。そのため、コーチングで取るべき行動の気づきを得ても、実際に行動を変化させ、定着させることは容易ではないという現実があります。
新たな行動を継続し、目標達成を実現するには、クライアントのそれぞれの行動自体にアプローチをする必要があります。この点で、行動変化のメソッドである「ヒューニング」が効果を発揮します。
ヒューニングは、「ヒューマン(人間)」と「チューニング(調律)」から生まれた造語です。
皆さんが本来持っている人間の能力を、調律により最大限のパフォーマンスを発揮できるようにするスキルの総称です。NLP(神経プログラミング)や、マインドフルネス、ヒプノセラピー、タイムラインセラピーなどが含まれます。
ヒューニングでは、クライアントが望ましい行動を起こせない原因となっている、無意識にブレーキがかかっているなどの内的阻害要因の元になる、潜在意識の行動プログラム(考え方)に直接アプローチします。
ヒューニングは、完全ににクライアント個々の状況にあわせて様々な方法でアプローチする完全オーダーメイドのアプローチです。ですので、古典的なコーチングとは異なり、人種の違いや性格、置かれた状況の違いなども、もちろん関係なく効果を発揮します。
ヒューニングで、目標達成のブレーキとなっているメンタルブロックを外すことで、成功への行動計画を実行できたクライアントの事例を紹介します。
新しく管理職になったクライアントがいました。 彼の行動計画の一つが、管理職会議でチームの業績をアピールするため発言をするという物でした。たいした内容ではないですよね。
でも、実際には会議になるとなかなか手を挙げることができないという状況に陥っていました。
アクションは明確で、意識もして、もちろん準備もしているのですが、なぜか手を上げて発言ができないのです。
原因を把握しようと対話を行い様々な要因になりそうな体験を紐解いていくと、若手時代のある経験が要因と分かりました。
若手時代時にオブザバーとして参加した管理職会議で、手を上げて質問をしたのですが、上席の管理職から「若造は黙って聞いてればいいんだ」と叱責をされたことが、ネガティブな記憶として潜在意識下に残っており(プチトラウマ)、管理職になった今も手を挙げれないという状態になっていました。
この場合、いくら行動計画として会議で自分のチームの業績を発表するという事を設定しても、無意識にブレーキがかかったままです。
このように無意識下でネガティブな印象が残ってしまっており、その結果同様の苦い経験をしないようなプログラムが無意識下で作動している場合は、要因となった体験のイメージの書き換えを行い、「管理職会議で手を上げて発表するのが怖い」という行動プログラム自体を変えていきます。そうすることで、発表することが怖くなくなり、自然に手を上げて業績アピールすることができるようになるのです。
このような事例は決して珍しい事ではなく、「なんか気乗りがしない」という行動の裏側には、無意識下にその行動に対する内的阻害要因(ブレーキ)となるプログラムが作動していることが多くあります。
このように、コーチングの「気付き」だでは自己変容に制限がかかることがしばしばあります。そこで、ヒューニングを用いることで、クライアントが目標達成を行うことが容易になります。
コーチング資格の取り方は、どのようなコーチになりたいのかや目的によって変わります。どの団体の資格を取得すべきか、それぞれの特徴を把握したうえで検討しましょう。
日本コーチ連盟は、コーチングの普及・発展を目的とする団体です。資格発行のほかに、
コーチング技能養成校である「コーチアカデミー」の運営や、大学公開講座・検定試験の実施など、
幅広く活動しています。
日本コーチ連盟は、コーチ資格とインストラクター資格という大きく分けて2種類の資格を発行しています。
コーチ資格はコーチとして活躍するための資格を、インストラクター資格はコーチングの技能を教授する
ためのインストラクターの資格をさします。詳しくは下記をご覧ください。
国際コーチ連盟は、世界最大規模のプロコーチ支援団体で、国際資格を発行しています。国際資格を取得すれば、海外でも資格が通用します。
一般社団法人エグゼクティブコーチング協会は、卓越した心理学によって、人類の幸せに貢献すること
を理念とし、コーチングと心理学を融合した日本人向けのコーチングを提供しています。
最近人気のコーチング&ヒューニングを実践できるヒューニストと呼ばれるコーチが所属しています。
などの資格認定を行っています。詳細は、下記をご覧ください。
コーチを選ぶ際には、コミュニケーションスキルが鍵となります。
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ビジネスコーチ選びのポイントは、資格と経験、コーチやコーチングスタイルとの相性、
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資格や有名スクールなどの肩書きだけでなく、実績やコミュニケーション能力も重視することで、
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